きょうは平成31年1月19日の土曜日です。大学入試センターの「センター試験」が今日と明日の2日間実施されます。きょうは文系の科目、あしたは理系科目です。
現役高3生と浪人生がその実力を発揮して悔いのないセンター試験となるのを祈るばかりです。自分を信じて頑張れ!
センター試験は来年が最後です。大学入試改革による制度の見直しのためです。センター試験は約30年つづきました。その前は「共通一次試験」でした。筆者はその「共通一次試験」元年に大学入試を受けました。共通一次試験は国公立大学を志望する受験生のみのもので、5教科7科目を受験するシステムで受験生の負担過多がいわれましたが、それ以上に問題だったのが受験生の学測定が正確にできないということでした。極端な言い方をすると100点満点で、30点か90点か、という問題でした。また高得点をとるために高校や予備校も「知識詰込み型のカリキュラム」を採用していくことになり、公立高校は「学校教育法施行規則」や「指導要領」などの法律や規則を犯して見て見ぬふりしてカリキュラム編成をしました。教育現場は法律違反だらけでした。違法でした。また国公立大学側は知識詰込み型教育で育った入学者の「質の悪さ」に嫌悪感を表明しました。と言いつつ一次試験の合計点による「二次試験を受けれるか、受けれないかという足切り制度」を実施し問題化しました。しかし日本で初めての「統一テストを経て大学へ入るという壮大なシステム」を10年間トライした価値はありました。その功罪を検証して次のシステムに発展できました。
「大学入試センター試験」です。国公立だけでなく私立大学も参加させることや、30点か90点かという問題ではなくなったことや、英語のリスニングテストの導入など大きな改革となって「共通一次試験」の10年間の経験は無駄ではなく次のシステムに生かされ、大きな果実を実らせました。まだまだではありますが「平等で正確な学力測定」にかなり近づきましたし、英語のリーディングに関しては、共通一次試験の、重箱の隅をほじくるような問題から、センター試験の英語のテストは「ざっくりでいいよ。大体何が書かれてますか?」というスタンスに変わりました。1分間で英単語100語程度の読解能力があれば良し、という読解スピードの目安が示されもしました。センター試験の功罪の「功」の部分です。
功罪の「罪」は何といっても「数学」です。数ⅠⅡⅢABC6科目の領域変更が数年前にありましたし、統計学(データ分析)の分散や標準偏差や共分散や相関関係や四分位数や箱ひげ図など、コンピューターにやらせればいい計算を今は手計算でやらなければならなくなりました。数学に関しては「共通一次試験」の数学と比べると、「センター試験」の数学の方が負担増だと言えます。高校のカリキュラム編成にも数学重視であることがよく分かります。進学重視の公立高校の高1は「高校生に成り切る」ために早くて6ヶ月かかります。毎日の家庭学習時間の五分の四以上は数学に費やされます。いわゆる「数学地獄」に耐えて忍んで時間のやりくりを覚えて10月末頃に「勉強の背骨」がしっかりしてきます。(勉強の仕方、やり方で「勉強の背骨」をつくりたい!ので後日このブログでお話させていただきます。)
そしてセンター試験は廃止され次のシステムになります。廃止理由はたくさんありますが、簡単に言えば「時代の変化」と「思考力の養成」です。インターネットやスマートフォンが出てきました。時代の変化は新しいものを生み出します。古いもの半分は無くなり新しいのもと入れ替わります。江戸時代に存在した職業の55%が無くなりました。でも45%は今もあります。あたらしく置き換わった55%の職業は、「最新の知識と技能」が必要でした。50年先、100年先を考えたとき、今ある職業のうちの55%はなくなるかもしれません。もしそうなった時、「最新の知識と技能」が必要なのです。
それに対応していきたいということで「学習指導要領変更」と「大学入試改革」が行われるのです。(この件についても後日このブログでお話いたします。)
きょうのセンター試験、お疲れ様でした。あしたもう1日あります。あしたも6時起きですね。弁当を楽しみに、自分を信じて、「いってらっしゃい。」